繰り返しになりますが、私たちが想定する首都圏直下型や南海トラフに、つまり、災害大国の日本において私たちに何ができるか。そのボランティア・ネットワークの使命とは何でしょうか?
これから予想される未曽有の大規模災害に日本国民は生き残らなければなりません。そのためにこのサイトを通じて国や行政を含めてすべてのセクターの①協働型災害対応が求められると訴えています。そのための共通のマネジメントシステムの構築に②ICS(インシデント・コマンド・システム)を活用。そして、その主体となるべき市民ボランティア側のあり方がこの③CFR(Community First Responderコミュニティ・ファースト・レスポンダー:「市民救助隊」)だと主張しています。
Community First Responderの説明
Community とは「人々が共有する領域(ドメイン)」「地域・街」「会社や学校など」という意味でその地域にいる「その場にいる市民」という災害対応できるボランティアを表現しています。
First Responderとは、普通は消防士とか救命救急士、警察官といった緊急事態が起きた場合にいち早く現場に駆け付け対応、応急処置する人間を指しますが、簡単に説明すれば「一番早く現場に駆けつけることができる対応スキルを持った人間」という意味で使います。
例えば、街や駅で隣の人が心臓発作を起こして倒れた場合、その人や周囲の人々はどう対応できるでしょうか。もちろん、救急車を呼び患者を病院に搬送することが求められますが、救急車が現場に到着するまでに、もし、あなたや隣人が普通救命講習を受けていてAEDが使えるとしたら、AEDや胸骨圧迫での心臓マッサージで生き延びる可能性は飛躍的に向上することが言われています。この時、現場に居合わせたあなたや隣人がまさにCommunity First Responderになる訳です。そして、救急車が到着した段階でプロの救命士(First Responder)に引き継ぐことになります。
この例えを災害現場で考えれば、居合わせた災害現場で市民同士が力を合わせて対応することができるとすれば、まさに救急車(公助)が現場に来なくても、まずは自分が生き残り(自助)、隣人を救助(共助)できるスキルや協働が訓練していれば、大規模災害での被害を少しでも減少することができないでしょうか。それが「国民総コミュニティ・ファースト・レスポンダー(Community First Responder)化」計画といえるでしょう。そのための災害ボランティアの組織化、スキルアップを、私たちは「市民救助隊」という名前で広げていこうと活動しています。
「市民救助隊」結成
2013年3月、東日本大震災を経験した災害ボランティア、市民、BCP関係の参加で、在日米軍消防本部次長であった熊丸由布治氏を講師に以下のような「市民救助隊養成研修ー国民総ファーストレスポンダー化プロジェクトー」が開催され、その受講生を第1期生とする市民救助隊が3月24日に結成されました。それから2年、震災から5年になります。
*********************************
市民救助隊養成研修ー国民総ファーストレスポンダー化プロジェクトー(2013年3月) |
震災から2年を経た今、自分と家族の身を守り、地域社会または企業の一員として災害時に何が出来るか真剣に考え行動に移すことを一緒に始めませんか。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
2013年3月23日(土)、24日(日)
開始:9時30分終了:18時
2.チーム編成(Incident Command System)
3.火災安全 自宅・職場での火災危険 安全な消火活動
4.災害時応急手当 災害時の応急手当とは 負傷者のケア 災害心理学
5.捜索・救助 軽捜索・救助とは 捜索活動 救助活動(災害トリアージ)
6.危険物及びテロ災害 特殊な状況 危険物に対する安全管理 テロ災害
※動き易い服装でのご参加をお願いいたします。
<講師>熊丸由布治(社)災害対応訓練研究所代表理事
※現在、霞が関ナレッジ(KK2)で不定期で実施しています。
緊急情報来る2月20日~21日の2日間、熊丸隊長の特別講座「実践―防災研修講座」と題してのCFR研修会が開催されます。関心のあります方はぜひこの機会にお問い合わせください。下記をクリックするとPDFでチラシがダウンロードできます。
************************
私たちがモデルにするのは、米国の地方政府レベルでの(Community Emaergency Responce Team)CERTという自主防災組織です。ここではFEMAが提供するICSを導入し、入門のIS-100から始まって具体的な活動のIS-315までを基本に、その災害対応スキルを学習、訓練しています。
ようやく、最近の自治体の中にはこの関係者を招聘し自主防災組織の防災講座に取り入れるところもありますが、まだまだ理解が広がっているとは言えないでしょう。
「市民救助隊」のプログラムはまだしっかりと確定したものではありませんが、災害ボランティアの位置づけと共に、個人のスキルをICSの学習によりチーム編成や組織力としてより効果的に、特に共助や公助組織との連携による「協働型災害対応」ができる戦力になれるように考えています。1期生以降受けている下記のプログラムを中心に平易な内容を研究しているところです。受講には近くの消防署での普通救命講習、上級救命講習の受講と資格取得を前提としています。詳しくは「市民救助隊」講座開設の段階でご案内できればと思います。
2.チーム編成と組織論(Incident Command System)
3.火災安全 自宅・職場での火災危険 安全な消火活動
4.災害時応急手当 災害時の応急手当とは 負傷者のケア 災害心理学
5.捜索・救助 軽捜索・救助とは 捜索活動 救助活動(災害トリアージ)