What’s us?

はじめにIMGP0227

このサイトは、災害ボランティアのネットワーク、災害対応するボランティアの情報発信を目的として、災害情報ボランティアが管理・運営するものです。

私たちは大きくくくれば「市民キャビネット災害支援部会」というネットワークにつながるいくつかのNPO法人が、全国3,000につながるメーリングリストやSNSを活用してこの5年間、東日本大震災の救援、支援を行ってきました。現地ではまだまだ支援が必要でしょう。
しかし、同時に私たちは今までの支援活動から得た教訓を、今度来るかもしれないもっと大規模な災害に対してどう活かせるかを考える時期になったと感じています。このサイトはそうした思いで立ち上げられました。機会があればそれぞれのNPO、団体を紹介したいと思います。

現在のところ「災害支援部会の後方支援部隊」としてそれらの情報を優先して掲載します。

cabinet私たちが考える災害対応に関するボランティア活動には以下の側面があります。それはある意味で時系列に求められる災害ボランティアの種類でもあり、今後、予想される大規模災害においてはそれぞれが共通認識を持つ必要のあること。そして、事前に組織化し、それぞれのスキルを持った「プロボノ(技術敵に高度化され、あるプロ化したボランティアのこと)」の集合体と国、行政やそれぞれの組織が「協働型」で訓練され、ネットワーク化されることが大切だという認識でもあります。それがまた阪神大震災や3.11東日本大震災を経験した、日本の災害ボランティアの教訓でもあるでしょう。災害対応が十分と自信を持って言える自治体や社協がどれほどあるでしょうか。各自治体が行っている地域住民の自主防災組織だけでなく、大都市における災害ボランティアの重要性も、特にそうした行政や社協などとの協働型の取り組みの大切さを訴えたいと思います。

 

「公助」から「自助」「共助」能力向上の仕組み作り

予想される首都圏大震災や南海トラフ大震災は、国家的な中枢の破壊や大規模での大きな対応能力の限界が考えられます。全国の消防、レスキュー、警察、海上保安庁や自衛隊の総力を上げてもどこまで対処できるでしょうか?
例えば、自衛隊員総数20万人での対応で間に合うでしょうか。それらいわゆる「公助」には限界が143あります。そのためには市民自らが生き延びる力(自助)を身に着け、近隣や公助の支援が来るまで共に助け合う(共助)コミュニケーションが大事になります。その規模は災害当事者としてだけでなく、全国、世界各地から支援に来てくれる仲間と有効に協力できる「受容力」も必要であり、駆けつける各地のボランティアも自己完結され、組織化やある一定のコントロールされたものでなければなりません。

3つの活動目標

そのために私たちは国や行政に対して①「協働型大規模災害」対応の協働訓練、連携体制、調整会議などを提言してきました。同時にそれらを有効にするマネジメントに米国からの②ICS(インシデント・コマンド・システム)の導入を推進しています。さらに、全国各地の災害ボランティア組織にこのマネジメント・システムを普及させようと活動しています。
さらに、国民の「自助力」と「公助力」向上のために③国民総ファースト・レスポンダー(CFR)化を組織化し、学習の推進を目標としています。

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災害ボランティアの種類

私たちが考える災害対応のボランティア活動の種類は以下の4種類があると思います。

①災害前に「防災・減災のための災害ボランティア活動」。災害はいつ、どこで起きるかわかりません。また忘れた頃にやってくるとも言われます。そこで「常に備えよ!」を合言葉に、防災用備蓄や自治会・町会といったコミュニティの啓発、防災訓練は大切です。地域での防災学習も欠かせない項目です。少子高齢化で地域を守るのは地元に残る中高校生かも知れません。
また、最近の大都市では通勤や買い物、旅行などでいつもの地域で被災するとは限りません。通学、通勤、買物中で被災すれば、見ず知らずの地域や人々と助け合い、帰宅困難者として対応しなければならない現実があります。会社、大学や商店街としてどう復旧するか。※「レジリエンス(復旧力)」や※BCP(ビジネス再生力)とも言われる、事前の想定や準備は欠かせません。
これらのひとつとして※ShakeOut方式の災害訓練を推奨しています。
これは以下の活動の原点でもあり、人材養成とマネジメントをシステム化し、年代が代わっても継続的に災害ボランティアを組織化する仕組み作りでもあります。ボランティアという人の内発的活動という属人的なものを、逆説的ですが、いかに組織的なシステム化できるかが大切だと考えているのです。

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②「災害対応ボランティア活動」。私たちの所属する団体には、災害直前から出動できるヘリコプターでの偵察や捜索訓練を受けた災害救助犬などのNPOがあります。彼らは「緊急フェーズに」対応できるよう日々研鑽に努めています。それでも彼らを支えるスタッフや宿泊準備などのベースキャンプをサポートするボランティアや行政との連絡要員、募金活動の組織化や出動を組織化するサポート・ボランティア、現場のニーズやリスクの情報収集と発信、ビッグデータや避難所マップなどICTを駆使した専門家と、まさにICSに基づいた即応能力を身に着けた災害ボランティアが必要です。日頃から「心構え」や「救助方法」「組織的な訓練」を受けた「市民救助隊」です。私たちはこの「災害ボランティア育成」に力を入れています。

③「災害復旧支援ボランティア」。災害では3分、3時間、3日間という「緊急フェーズ」と3週間、3か月、3年といった長期に渡るスパンでの支援ボランティアが求められます。ちょうど、避難場所から「避難所」が開設され、その運営、物資の配給などを行う「復旧フェーズ」では、被災地の内部ボランティアが重要です。同時に、各地外部から来る支援者ボランティアがバスで到着したり、その受け入れや協働で活躍する多くのボランティアが活動する時期に登場するのが、社協などと連携する災害ボランティアセンター(VC)運営スタッフや復旧支援のボランティアです。
一番人数も多い時期で、役割や種類も異なり、避難所運営、炊き出し、避難所での精神的なケアや被災した自宅の復旧、泥カキ、瓦礫の片づけなど多くの人出が求められます。行政や社協の職員を補佐して混乱なく、被災地コミュニティ形成に貢献するボランティアでもあります。

そして、その長期に渡る復旧から災害を経ての「復興支援ボランティア」という役割もあります。ここには「まちづくり」の多くの専門家を加えた、長期に渡る「地域支援」「地域の活性化・復興」という視点でのボランティアの重要性があります。罹災証明や家屋の危険度評価、家の再建計画や行政と協力した新しい住宅地の計画など、住民とのコミュニケーションで地域の復興計画に取り組みます。resize0826_thumb

以上が私たちの考える災害対応ボランティアの使命であり、役割だと思っています。それぞれの詳しい内容や専門用語(※など)は、それぞれのページや資料で詳しく説明するつもりです。

※このサイトの管理者である山中邦久は、埼玉県災害ボランティア、市民キャビネット災害支援部会やSLネットなどに所属するNPO法人ワーク埼玉代表理事をしています。震災支援のアドホックな戸田市NPO協働センターの代表であった記録はPDFで読めるようにしてあります。

市民キャビネット災害支援部会
NPO防災まつり世話人会
山中 邦久