NPO防災まつり報告①

 

npo1 11月14日(土)の第1日目はあいにくの雨模様で1日降ったりやんだりで寒いお祭りとなってしまいました。フリーマーケットの皆さんは、近くで渋谷区の防災イベント同様、雨天中止ということで会場も閑散としていましたが、何とかこちらは「雨天決行」が災害対応の基本だということで開催することになりました。

npo2午前中はメイン会場での「NPOまつり」開会とサブステージの三陸などの応援出し物、そして、第2会場となった渋谷区勤労福祉会館において東京都の防災関係課長らの「帰宅困難者条例」の講演や渋谷区の状況などのシンポジウムがあり、3.11では「帰宅難民」と化した通勤通学や買い物客の対応の変化について考える機会があり、そのまま、渋谷から会場と原宿駅に集合した参加者と救助犬協会のメンバーなどが、代々木公園を目指して「帰宅困難者避難誘導訓練」が行われました。

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それぞれの参加者はメイン会場での報告、サブステージでは参加した国連大学の留学生、慶応大学で防災教育を学ぶ学生たちを交えてのトークセッションが引き続き行われました。

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午後からは、宮城教育大学準教授の村上先生から、当時の仙台、宮城復興センターの活動や芸術系の各大学のネットワークを通じて「震災遺構」の保存や記念館を作るなどの提言をしている話などが聞けました。また、メインステージでの練習用に数曲、アイドルグループの「制服向上委員会」のメンバーがリハーサルで盛り上げてくれました。

ics1 そして、この日のメインのひとつでもあった「災害対応のICS入門講座」が米国FEMAの修士を取得してきた山上さんを講師に開かれ、その講演をイラストで表現・記録するという流行の「グラレコ」(グラフィックレコード)に立正大生の盆下くんのデビューがありました。

アメリカではFEMA(連邦緊急事態管理庁)が設定したICS入門(IS-100)の受講がなければ災害ボランティアにもなれないという「標準化」の厳しさを学ぶと共に、災害ボランティアが「できること」「しなければならないこと」を共有する重要性がわかりました。

ics2今回はお祭りということもあって、それぞれのボランティア仲間との交流や自分の団体のブースの仕事に追われてこの講習会にNPO団体のリーダーの参加が少なかったのは残念でしたが、やはり、きちんと「災害ボランティア」の確立とリーダー研修がいかに大事かを再認識させられた思いです。

どうもまだまだ各リーダーにこうしたシステムやマネジメントの重要性が伝わらず、災害NPOだけでも標準化が難しい現実に直面していますが、行政、社協や警察、消防関係と「協働型防災訓練」の制度化には山あり谷ありだと時間がかかりそうだということがわかりました。

少なくとも合衆国の国家 安全保障会議(NSC)になぞらえて「日本版NSC」を採用した安倍政権は、同時に日本版FEMAを1年間の検討の末、オバマ大統領からの支援も受け入れずに作らない方針であることを決めたニュースはがっかりさせましたが、結局は縦割り行政の弊害や各組織の省益、利権などの優先で標準化は難しいというのが日本の現状であるのだろうと思います。
当面は国や行政主導でのまとめる話は期待せずに、市民レベル、NPO連携での民間FEMAが作れるか、ボランティア精神の見せ所というところでしょうか。

map1最後の写真は立正大の後藤先生のマッピングのデータを入力するテント内の学生。ご近所マッピングということで、自由に自治体や市民が著作権に関係なしに作れる地図情報の重要性や、クロスロードゲームに近い課題提起の考えるセミナーを実施しました。

こうしたITボランティアや新しいIT活用のトライアルが今回は、立正大学、明星大学の学生を中心に、文科省のプロジェクトに参加した慶応や法政大学のITボランティア学生の若者が会場内でも活動していました。これからはこうした「IT×若者ボランティア」の活動という視点が重要なのだろうと思いました。

npo9私のグループにも雨の中、東京の企業の経営企画部でBCP関係を担当している若い美人が3人もボランティア参加で協力してくれました。おかげで冷たい雨もなんのその、楽しい受付やお任せであちこち参加できました。感謝。

若者にICS普及をどうするか?次の課題ですね。若者をどう集めるか。どう伝えるか、を皆様と検討したいと思います。

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